ゆるぅ~い仕事、、、ゆるぅ~ぃお仕事ないかな??
はい、誰だってストレスフリーな環境で働きたいものですよね?
ゆるぅ~いお仕事なんて検索をかけてみると・・・
「工場勤務がおすすめ!!」なんて情報をよく見掛けます。
むむむ、製造業ってストレスフリー!?
美味しいの? 美味しいの???
工場勤務は比較的ストレスフリーな働き方として挙げられていますが、工場のお仕事といっても業界・業種により、その内容は千差万別です。
そして、求人情報や会社ホームページから多くの情報が得られますが、実際の仕事は内部の人間でないと判らない事が多いのです。
・・・そこで
ゆるい仕事をお探しで、これから食品業界へ就職・転職しようとしている方へ
私が20年ほど前に勤めていた「食品加工工場のリアル体験談」をお届けします。
この記事を読めば、食品加工工場の雰囲気を知る事ができますので、工場勤務経験の無い方でこれから入社を検討されている方にはきっとお役に立つかと思います。
良いところ・イケていない両面をかいつまんで説明してゆきますので、どうぞ最後までご覧ください。
職場の概要
私が従事していたのは、とある上場企業の子会社。
親会社は、市場ではかなりメジャーというか、ほぼ誰でも知っている会社だと思います。
さらっと、工場の概要だけ説明しておきますね。
会社規模:資本金10億 / 売上500億 従業員500人(連結1500人)
担当品目:ハンバーグ
担当工程:一通り経験済み
お勧めできない事《食品系全般》
休みは少ない!!連休なんて無い
ズバリ、長期休暇が欲しい方はおススメできません。
扱うものによって異なりますが、だいた100~105日程度でしょう。
世間一般に言う長期休暇(年末年始・盆・GW)は、全く関係ない世界です。
私の勤めていた工場では、オール(水・日)休みで、GWも普通に稼働していました。
とは言っても、腐りやすいものを扱っている場合なので
長期間保存可能な食品であれば、その限りではないと思います。
ズバリお勧めは、乾燥したものでしょう。
こことは別ですが、ナント125日+有給取りやすい会社にも居たことがあります。
やはり、取り扱う「食品の種類」によって休みの長さが変わってくるのは
押さえておくべきポイントになりますね。
作業服(被りモノ)が鬱陶しい
人が食べるものを扱っているので「異物混入」にはひと際気を使う必要があります。
食品に混入しやすいものとして「毛髪」が思い浮かびやすいかと思います。
で、その対策として頭を丸ごと覆う「被りもの」が非常にストレスフルなのです。
いまいち正式名称を知らないのですが
Amazonさんでは「 フード (ツバ付) マスク掛け マジック 耳部メッシュ」と紹介されていました。
一般家庭で必要になるシチュエーションは皆無でしょうが、食品工場や半導体などクリーンルーム作業では必須アイテムかと思います。
・・・が、コレは甘く考えない方がいい理由は以下の2つです。
装着は作業服をある程度脱がないとできない。
画像から判る通り、頭を覆う部分と「クラゲの脚」の様な部分の2つの構成となっていますが
「クラゲの脚」を作業服の中に入れ込むのが超絶面倒なのです。
よくあったのが首からぶら下げていたステンレス製のボールペンを取り出すと、一緒にビラーンと「クラゲの脚」が襟元からしゃしゃり出てくるというものです。
おい、オマ出てんで、襟!!
びろ~んッて、みっともない。
そして2つめは
圧迫感が疲れる
とシンプルなものです。
ヘルメットや防止を長時間着用していても苦にならない方は平気かも知れませんが、私はとにかく苦手でした。
頭が蒸れてくるし、首元もマジックテープが触れるし、何よりダサい
コロナ禍の今でこそ、常時マスクの着用が定着化していますが、当時は業務中の拘束着として苦痛な要因の一つであったのです。
苦労すること《生もの加工系》
苦労が全くない仕事なんてあるの?
こんな疑問を抱きながら、転職を企んでいる方も多いかと思います。
が、給料は苦痛やスキルの対価報酬なので、基本仕事は何かを犠牲にして得られるものですよね。
ここからは《生もの加工系》にフォーカスした特に気になる点について挙げてゆきます。
匂いがきつい
これは扱うモノによりますが
フライものを扱っている場合、油の匂いが厳しいです。
また生肉・・・鳥系の肉は生臭いデス。
茹で上げ工程に配属されると厳しいかもです。
人間関係《重要》
私の勤めていた工場では、女性のパートさんが多くその比率は
女性:男性 ≒ 7:3
ぐらいだった記憶があります。
担当エリアの責任者が男性、簡易作業担当が女性といった業務の分担でした。
これはたまたまかも知れませんが、何故か「職人気質」というか「クセが強い」方が多かったです。
開発課に所属していたころには、特別待遇のお抱え「シェフ!?」数名が一国の主の様なお振舞いをされてみえたり、、、、基本的に一番頭の切れる(デキる)方は中間層で一番苦労するポジションに居ることが多いですね(笑)
そして、現場ではライン長がいるのですが、これまた飲食店の元店長だったり
普通に話し掛けても、視線を逸らすというワザとらしい高度な技を使われるなど・・・まぁ、、、多様性と例えるべきなのでしょうね。
《教訓》
話が通用しない人については、いくら正攻法で接しても無駄です。
まず、周囲の人からターゲットの趣味とか大事にしていることを聞き出し
対話の際にキーワードで釣ってココロをこじ開けていくなどの下準備が必要です。
異物混入は悲惨
食品の最大の敵は、鮮度のほか・・・「異物の混入」です。
人体に影響が大きいもの(金属片)は、もちろんの事ですが
よくあったのが「ニトリル手袋の破片」デス。
ニトリル手袋って何?という方は下の画像をご覧ください。
使い捨ての手袋は重宝すると言うか「必須」アイテムですね。
ただ、手に装着した時点で破れるような一部の品質極悪品は論外として
どんなにものが良くても爪を伸ばしていたり鋭利なものに触れるとソッコーで破れます。
そして・・・
作業の途中で手袋に穴が空いているなんて気付いたら最後、ラインストップして
手袋の破片を探すことになります。
既にミンチ状になった具材から手作業で探す姿もちょこちょこ見掛けました
・・・見付かるワケねーよ(笑)
こうならない様に、〇時間毎に手袋の状態確認を各作業者自身でチェックを
してたかどうだったかは・・・覚えていません。
このように、恐らく食品工場では破れた破片が見付かりやすい様に「色付き」タイプを使用しているのが一般的かと思います。
その他の異物対策としては、作業着の糸くずや毛髪などは
確か通称「コロコロ」で作業服に付着したものを除去するコトはやっていた覚えはあります。
コロコロとは下の画像のイメージです。
工場内への入場の際には、エアールームという「暴風エリア」で身を清めた後
鏡が大量にある自身を見つめる「懺悔室」に入り、コロコロでくまなく身体を拭きますw
そして「禊ぎ」の儀式が終われば、晴れて場内に入場できます。
なので・・・忘れ物とかすると面倒極まりないです(笑)
他に何か対策してるかニャ??
はい。もちろん設備的な対策も施されています。
混入した異物が金属系(鉄)であれば、下流工程に設置してある金属探知機に
骨などの硬質系のものは・・・X線検査装置を通していた記憶があります。
体力(剛力)が必要な現場も
工場には必ずと言っていいほど「運搬」業務というものがあります。
全てがシステム化されていればよいのですが、都合よくいかない場合が多いです。
そんな際は、やはり「人力」に頼るしかありません。
原材料を混ぜ合わせたもの(半練り品)を入れる容器に手押しワゴン容器を使っていましたが
なんと、その総重量は180kg/1台(中身を入れた場合の重量ですが)。
ミートワゴン
引用: ミートワゴン(上下着脱式ワゴン台車)200リットル|制作事例|(有)大河内 ステンレス製品・オーダーメイド金属加工
一度煉り合せたものを成形加工するのですが、とにかく半練り品の温度が上昇すると
品質劣化や成形不良(成形機で処理したものが崩壊する)になるので
スピードが求められる場面では
ワゴン容器を2台同時に運ぶのですが、これが厳しい!!
まぁ、動き始めたら慣性力でそれ程でもなにのですが・・・
コツを掴まないとマズ動きません(笑)
加工場と冷凍庫が離れていると「重労働」を体感できます。
昔の鉱山の仕事かよ
そして、時々・・・ときどきですが・・・
満タンに詰め込まれたワゴン容器を横転させてしまう輩もいました ( ´艸`)
マジかぁ~!!
もったいねぇ~!!
すげぇ損失だなオイッ!?
あっはっはっ~。
えっ!!
マジかぁ~ッ!?
ちょっとイイこと
女性が多い♡
パートで働く方の多くが女性でした。
年齢層は30~50歳ぐらいの方が多かったと思います。
作業場によって人数や男女比の構成がガラリと変わるので、作業中は接する機会が全く無かったりする場合もありますが、お昼時の食堂や喫煙所で・・・
こんなヒト居たんだ!?みたいな出逢いがあります。
ちなみに、作業中はアラブの女性の如く可視部分は目元だけになりますので
「素顔とのギャップ」はそれなりに大きいです(笑)
期待を胸に・・・いざ素顔が判ると・・・
あっ・・・・、何でもない・・・です。
恐るべしマスクマジックと言ったところですね。
インターナショナル
これも工場によりけりですが、大規模なところで単純作業の工数が多いところですと
海外からの労働力に依存するケースもあります。
私が居た工場の上工程(生肉・野菜)の取り扱い場ではブラジルの方、下工程(検品・充填)の取り扱い場では中国の方が担当していました。
ボンジィーヤ!!とノリ良く挨拶したり・・・
冗談ぽく
ウォーアイニー♡
メイクウェンシー★シンクレイヤ~♪
などと片言で声掛けすると
ぽッと赤面するなど、ささやかな癒しを得ることができますw
クッソ可愛ぇぇ~ッ!!
ちなみに、私が所属していた頃には中国から大量に女性の研修受け入れ制度?
みたいなものがあり
仕事終わりにちょこちょこと顔を出すうちに「イシさん!イシさん!」と・・・
何故か人気者になってしまいました(みんなスレてなくて素直でイイ感じです)。
研修期間が終わって帰国する際なんて・・・みんな号泣の見送りとなりました(悲)。
熱帯雨林と砂漠と南極を体感できる
扱う食品によりますが、私がいた工場では食肉を原料とする加工食品で
食肉は最終的にフライ、焼きの加熱処理を行っていました。
そして、それとは別にソース類も製造していたのですが・・・
ソース製造ラインは、とにかく高温多湿の熱帯雨林気候で暮らす覚悟がいるエリアになります。
ここでは、食肉類とは縁がないので嫌な臭いやミンチに触れなくて良いのですが
まぁ・・・長時間居られる環境とは言い難いですね。
お次は灼熱の加熱ライン!
加熱の熱源としてガスを使っていました。
ガスの炎は蒸気と違い、乾燥した熱風となります。
炎の熱はもちろん、放射熱も凄まじいので、まめな水分補給と休憩が必要ですが
連続ラインなので、ちょっと目を離した隙に真っ黒焦げのロットアウトなんてこともありますから油断できません。
と言うワケで、人員に余裕がなく交代し辛い環境の加熱ラインでは、喉はカラカラの砂漠を彷徨う旅人を体感できるのです。
そして、灼熱の砂漠だけかと言えば・・・そうでもありません。
砂漠にはオアシスがつきもの!!
が、そのオアシスも時に牙をむくので注意が必要なのです。
牙むくとか、草生えること言ってんじゃねぇ~よ!
うるせぇ~! 親切で言ってやってんだコラッ!
で、そのオアシスとは「急速凍結庫」なんです。
はん? 冷凍庫ぢゃね? ウチにもフツーにあるぜ?
冷凍庫みたいなもの別に珍しくもなんともねーと思われる方、お待ち下さい。
一般家庭用はせいぜいマイナス22℃ぐらいでしょうが、工場の本気仕様の「急速凍結庫」はなんとマイナス60℃の性能!! (南極の平均気温は-50℃~-60℃と言われています)
寒いとかではなく、痛い!!とにかく痛い!!
ちなみに5分も庫内に入っていられません。
扉には一方通行に利くカギがあるのですが、時々故障してうまく動作しないことがあります。
万一、入庫後に外へ出られなくなったら確実に凍死すると思われます。
瞬間凍結庫がある工場では、南極を体感できる。
以上、一粒で3度の局地的ハード体験が味わえるというお話でした。
検品と称して試食放題
なんと私、初めての職種は「開発」です。
開発商品や現行商品の善し悪しについて
実際に検食して確かめるという「検食」というものがございます。
ライン長だけでなく、品管・開発課の人間は
普通にいつでも「検食」をして良い権限があります。
なので、いつでも・どこでも好きな時に好きなだけ検食を堪能するワケですが
結局その喜びは最初の方だけでした。
開発課では、肥満体型の方が多かったのですが、理由は判りますよね?
そう、人間ムダに食べるとムダに太るのです。
なので、検食は口の中で数回噛んで吐き出すというスタイルがフツーに行われていました。
まぁ~、なんてハシタナイッ!! 呑み込んじゃえ呑み込んじゃえお!
僕はフツーにゴックンしてたよ。もったいないし。
女性の方もフツーに吐き出してたのはちょっと( ゚Д゚)だったネ
まとめ
どうでしょう?
食品工場のイメージとリアルの乖離を体感頂けたでしょうか?
工場の仕事は、黙々とできるからイイとか言いますが、担当業務によってはそうとも限りません。
つまるところ、コミュニケーション力に長けていれば、色々な場面で協力を得られるなど恩恵は大きいです。
軽い冗談や仕事以外のコトを含めた会話を積み重ねて、人間関係を有利にするのが長く居る為の肝となりそうですね。
食品工場(加工)のポイントのまとめ
メリット
仕事は割と面白い(目に見えて製品化される)
比較的ローテク(食材の天然由来の性質さえ把握できればOK)
商品を体感できる(つまみ食いなど)
自社商品を社員価格でお安く購入できる
キャリアスキルが向上する(生産計画立案・設備保全)
デメリット
休みが少ない(取り扱い商品が生モノはダメ)
割と体力勝負(立ち仕事・運搬)
作業環境が合わない場合も(湿度・室温・匂い・湯気・煙・音)
キャリアスキルが向上しない(単純作業の繰り返し・検品)
クセの強い方が割と多めな印象
と言う感じですね。
特化スキルがなくても単純作業のバリエーションが多いので
わざわざ新卒キップを使ってまで入社する必要はないというのが素直な感想です。
総じて、自社製品は買わなくなりました(笑)
少しでも参考になりましたら幸いです。
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