コロナ禍でマイカーを使用する機会が増えたけど、最近のガソリンの高騰が気になる今日この頃。
いっそ、「ハイブリッドカーに買い替えるか?」と考えている貴方。
ちょっと待って下さい。
ガソリン車でも、簡単なコトを意識して運転するだけで
「ハイブリッドカーに負けない燃費」を実現できるのです。
この記事では
ガソリン代が多く掛かって困っているけど何とかならないか?
ハイブリッドカーに買い替えるにも新たにお金を掛けられる余裕が無い・・・。
という悩みを持った「ガソリン車に乗られている方」に
簡単に実践できる劇的に燃費が良くなる「知識とテクニック」を紹介してゆきます。
先ずは、簡単に燃費を考える上でその大元となる
エネルギーについての基礎知識を説明します。
理屈はいいから早くテクニックを知りたいという方は
究極の省エネとは?から読み進めて下さい。
エネルギーの知識
エネルギーとは何でしょうか?
簡単に言えば「仕事をする能力」です。
もう少し詳しく言えば
ある物体が他の物体に対して仕事(作用・変化など)ができる状態
をエネルギーを持っている・・・となります。
車はどうして走れるのか?
アタリマエの様に車に乗っているものの、即答できる方は少ないのではないでしょうか。
答えは・・・
「燃料をエンジンで運動エネルギーに変換している」からです。
つまり、燃料の持つエネルギーを使うことで車を走行させているという事になります。
燃料はガソリン車であれば「ガソリン」、電気自動車であれば燃料の代わりに
「電気」をエネルギー源としています。
なおハイブリッドカーは、ガソリン車と同じく
燃料に「ガソリン」を使用していますが
余剰エネルギーを電気に変換して貯めておき、そのエネルギーを再利用しています。
エネルギーの特徴
エネルギーには運動エネルギー、位置エネルギーと言った【力学的エネルギー】の他
【電磁・光・化学・核】エネルギーといった様々な形態で存在しています。
例えば「エネルギーを消費した」という表現では
あたかもエネルギーが消えて無くなったかの様に思えてしまいますが
実は無くなっているのではなく、何かしらの状態で存在し続けているのです。
この場合の「エネルギーを消費した」とは
あくまで「狙った仕事」に関する作用力に限定した意味
で使われているのであれば正解となります。
但し、「狙った仕事」に関する作用力は失われる一方で
「狙った仕事」を達成することにより、必ず新たな別のエネルギーが生まれています。
この様に、あるエネルギーを使っても別のエネルギーが発生している現象は
「エネルギー保存則」と言い、エネルギーの総和は変化の前後で変らないということが
法則で示されています。
エネルギーの変換ロス
「エネルギーの総和は変化の前後で変らない」のであれば
どんなエネルギーの使い方をしても問題が無い・・・ワケではありません。
なぜなら
あるエネルギーを別のエネルギーに変換する際には
色々なロスが発生するからです。
例えば「振り子」の運動で考えてみましょう。
「振り子」の運動は、おもりの高さというA「位置エネルギー」と
おもりが動くB「運動エネルギー」が入れ替わる事が繰り返されます。
A地点では、位置エネルギーがMAXで速度ゼロ
B地点では、位置エネルギーがゼロで速度がMAX
この「振り子」の運動にエネルギー保存則を当てはめれば
永久に揺れ続けるハズですが、現実的には数往復で停止してしまいます。
一体なぜでしょうか???
それは「振り子」の運動に関係ないものにエネルギーが使われてしまっているからです。
「振り子」の運動で言えば、支点での摩擦や空気抵抗などが
「関係ないエネルギーの持ち出し」となり、この持ち出しが積み重なって
最終的に振り子に使われるエネルギーが無くなってしまうのですね。
この様に、エネルギーの変換には多くのロスが潜んでいる事を知るのは
省エネを考えるうえで、非常に重要なことです。
究極の省エネとは?
私が考える究極の省エネとは至ってシンプルです。
「無駄になるエネルギーを使わない」たったこれだけです。
言い換えれば、「目的とする事以外にエネルギーを使わない」となります。
これを車の運転で考えてみましょう。
車の運転での無駄とは何が思い当たるでしょうか?
それではワースト順に説明してゆきます。
ブレーキは最大の悪(ロス)
意識① ブレーキは極力使わない!
意外かも知れませんが、最も燃費を悪くさせているのはブレーキを掛けることです。
自動車の最大の目的は移動させることであり、「狙った仕事」は運動エネルギーとなります。
ブレーキを掛けるとは、移動させる為に燃料(ガソリン)を使って得た運動エネルギーをブレーキの摩擦熱として変換し、捨ててしまうことでもあります。
もちろん、運転をしていればブレーキは当然必要な操作です。
では、ブレーキを極力掛けない様に運転するにはどうしたらよいのでしょうか?
答えは簡単です。
車を停止させられるであろう位置とタイミングを「予測する」だけデス。
車を停止しなければならない多くのパターンが「信号機」。
あー、どうせ信号で捕まるのに暴走してるな、無駄やwww
なんて思ったことはありませんか?
その感覚が大切なのです。
後続車の有無によりますが、極論で言えば・・・
赤信号で止まる場合は、ノーブレーキで自然と停車※できれば
「運動エネルギーを最も有効に使い切った」ということになります。
※この際、ギアはニュートラル(N)ではなくドライブ(D)にしておかないと意味がありません。燃料カット(フューエルカット)機能という省エネモードはドライブ(D)で作動する為です。
更に上級テクニックとしては・・・
タッチアンドゴー※(Touch-and-go)をイメージすることです。
タッチアンドゴーとは、離着陸訓練で行われるもので
飛行機が着陸して一瞬車輪を滑走路に接触させたあと、直ちに離陸する動作を言います。
要は直ぐに離陸できるスピード以下にはしないってことですね。
これは赤信号で完全停止し、アイドリングで信号が青に変わるのを待つのではなく
早めに減速して、ゆっくりと信号機に接近することで停車することなく赤信号をやり過ごす方法です。
前者①と後者②のイメージ
①何も考えずビューン→赤信号で完全停止→アイドリング待機→信号青→発進→新に加速
②信号が赤になる予測→減速→信号赤→トロトロ接近(時間稼ぎ)→信号青→上乗せ加速
どうです?違いが判るでしょうか?
減速によるエネルギーロスが発生するものの、アイドリング待機の無駄や
完全停止状態から走行状態になるまでの大きな加速が不要となるのです。
「エンジン始動」と「速度ゼロからの加速」は燃料を大きく消費する代表的な動作です。
アイドリングストップ機能も待機時間によっては、かえって燃料を多く消費することになるので注意が必要です(短時間のアイドリング停止は避けた方がいいでしょう)。
更に更に上級テクニックとしては
②信号が赤になる予測→減速→信号赤→トロトロ接近(時間稼ぎ)→信号青→そのまま加速
赤字の動作をブレーキ無しに自然と減速させる様に
信号のタイミングを予測し、アクセルから足を離すとなります。
もちろん、信号を青で通過できるのなら減速の必要はありません。
頻繁に通る通勤路であれば、信号の変化パターンを把握することは難しいことではありませんので非常に有効な方法だと思います。是非お試しいただければと思います。
無駄なアクセル操作(加速)
意識② 急発進・急加速しない!
アクセルを踏み込みフルスロットルで加速させると気持ちいいですよね。
ですが、必要以上の加速はエネルギーの変換効率を著しく下げる原因となります。
アクセルの踏み込みに応じて、エンジンへ供給する燃料の量が増加する仕組みと
なっているのですが、必ずしも供給した燃料量に比例して
エンジンの出力が上がるワケではないのです。
エンジンの種類により特性が異なりますが、ある一定以上の燃料を供給しても
不完全燃焼となった排ガス量が増えるだけで
消費に見合う出力が得られないという事になります。
では理想のアクセルワークはどの様に行えば良いのでしょうか?
これは車種や荷物などの積載量(重量)によって変わってくるので一概には言えませんが・・・
車の加速を感じられる最低限のエンジン回転数を維持するのが理想です。
エンジンの回転数は、速度メーターの隣(右側が多いと思います)にある
「タコメーター」で読み取れます。
少し難しいのが車の加速を感じられる最低限のエンジン回転数というのは
その時の車速によって変わってくることです。
例えばオートマチック車であれば、ギアをドライブ(D)に入れた状態で
アクセルから足を離していても車が徐々に進みだしますよね?
あれは「クリープ現象」というもので、アイドリング※による
エンジンの動きが伝わって起こるものです。
アイドリングとは?
エンジンを停止させない為に、最低限のエンジン回転数を維持した待機状態
つまり、車が停車していたり極々遅いスピードである間は
アクセルを踏むか踏まないか程度でも車は加速し出すという事です。
また逆に、ある程度の速度が出ている際はアクセルを緩めると速度が低下します。
目安としては、現在の車速を維持するアクセルの踏み込みを
少しだけ強くするといった具合が良いでしょう。
結果的には、加速の序盤から終盤に向けアクセルの踏み込み量が徐々に大きくなるハズです。
ただし、いつまで経ってもトロトロと走り続けるのは、他の車の交通の迷惑となりますし
煽り運転の被害を受けかねないので、交通状況に合わせる配慮も忘れずに。
上級隠しテクニック(無段変速機CVT以外)
アクセルを徐々に踏み込み速度が上がってきたら
一旦、アクセルから完全に足を離すとギアがシフトアップします。
その後、ゆっくりとアクセルを踏み込み直します。
この時、勢いよくアクセルを踏んでしまうと折角シフトアップしたギアが
シフトダウンしてしまうので「ゆっくり」と踏み込むのがポイントです。
この操作は、エンジンが同じ回転数でもギア比が高ければ、
それだけ多くタイヤが回転することを利用した省エネテクニックです。
無駄にパワーが強いローギアで引っ張るより、早めにパワーは出ない反面
タイヤの回転数が上がるハイギアに切り替えてしまうおうと言うワケです。
なおタコメーターが無い車種やグレードがありますが
「エンジン音」が無駄にうなり音をあげてないかを判断材料とするのがいいでしょう。
必要以上のスピードを出すデメリット
空気抵抗の無駄
走行中に窓を開けると風を受けているのが判りますよね?
スピードが速ければ速いほど、その風は強く感じるハズです。
で、その「風の正体」は何でしょうか?
それは空気の塊へ自ら進んで衝突することで生まれる「空気抵抗」を感じているのです。
この空気抵抗は、単純に速度に比例しているのではなく
速度の「二乗に比例」して大きくなります。
つまり、速度を40km/hrから2倍の80km/hrに上げた場合
空気抵抗は2倍ではなく4倍になってしまいます。
この空気抵抗は車の進行方向と逆向きに力が加わることになるので
もちろんエネルギーロスに繋がります。
これは、向かい風で走っていると歩いている時に比べ
無駄に体力が要るなどの例から解り易い話かと思います。
ストックしたエネルギーの無駄
物体が移動する際の運動エネルギーもまた、速度の「二乗に比例」して大きくなります。
つまり、速度が2倍になれば運動エネルギーは4倍に、速度が3倍になれば
運動エネルギー9倍にといったことになります。
無駄に速度を出しているという事は、それだけ高い運動エネルギーをストック(保持)
して走行している状態と言えます。
公道では、信号以外にも急な飛び出しや最後尾の車に追いついてしまうなど
急に減速や停止を迫られる状況が出てきます。
その際、停止するまでにストックしていた高い運動エネルギーを使い切れる公算は
低くなるワケです。
エネルギーを使い切れないとなると、それだけ無駄が出ている事になります。
逆に、低速で走行していたらストックする運動エネルギーは少ないので
エネルギーを使い切れる公算は高く、無駄は少なくなるという話です。
安全面の問題
スピードの出し過ぎは、燃費だけの問題ではなく安全面からもいただけません。
スピードを出すという事は、同じ距離を走るのに要する時間が短くなるので
それだけ短時間・・・瞬間的な判断に迫られ、判断が遅れることにも繋がります。
スピードの出し過ぎで事故を起こしやすくなるのはこういった理由があるのですね。
まとめ
如何でしたか?
燃費を向上させる2つの意識とは非常にシンプルです。
「ブレーキは極力使わない!」「急発進・急加速しない!」
たったこれだけのコトなのですが、この言葉を知っているだけで
何故かと考える方は少ないかと思います。
ですが、理由を知らずして様々な場面で正しく応用することは難しいと考え
この記事を作成しました。
なお、最近はハイブリッドカーの普及が進み
価格差も、さほどガソリン車と変わらなくなってきました。
ハイブリッドカーでは、記事で紹介した無駄を
電気エネルギーに蓄積する機能(回生ブレーキ)があるので
今回紹介したテクニックはあまり効果が期待できませんが・・・
裏を返せば、ガソリン車もテクニック次第でハイブリッドカーに
負けない燃費に近付けることが可能なのです。
ドライブ好きの方は、こういった燃費を考えた運転を意識すると
より運転が楽しくなるのではないでしょうか?
それでは、また当ブログへお越し下さいませ★
Enjoy your car life with safe driving!
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